『再生讃美曲』について

「選ばなかった過去たちへ」という歌詞、最高にスタァライトじゃないですか?

 

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フル尺がまだ聴けないので、今なにを語っても無駄なんだけど、それでも今受け取ってる情熱だけ燃やさせて。

前シングル『Star Parade』で個人的に感じたことは、過去への肯定と現在への祝福と未来への希望、という感じだったんですが、ここの過去に関しては「選んできた過去」だと受け取ってたんですよね。もちろん、この2作品はテーマや作られた経緯が異なるので、並べるのも少し違うのかもしれませんが、少なくとも私は選んだ過去についてしか考えてなかったので「選ばなかった過去」って聞くだけでどえりゃー!となっちゃったんですよね(視野が狭いな!?)。

そりゃ当然、「選ぶ」があるならば、「選ばなかった」もありますよね。いろんな選択肢がある中、どれかひとつを選ぶということは、無限にあるその他を選ばなかったということで。だけど、どちらにしても、そこには意志があると捉えることもできる。「選んだ」にある意志と並ぶ、「選ばなかった」という意志。「選べなかった」のではなく「選ばなかった」。

個人的に、否定形の言葉にはマイナスの印象を受けがちなので、「選ばない」も「選べない」もそんなにいいイメージを持たないんですが、ただ、スタァライトの文脈であれば、「選ばなかった」という言葉から、そこに含まれる意志をより強く感じられるなと思いました。

んで、そこから続く歌詞が「静かに捧ぐ讃美歌を」になっている点。

これもまた個人的な意見ですが、やはり「選ばなかった過去たち」というのに良い印象を持てないので、歌を捧げるならば鎮魂歌とかその類になるのではないかと勝手に思ってしまうのですが、あくまで讃える歌を捧げてるんですよね。それは「選ばなかった過去たちへ」の圧倒的肯定なんじゃないかって思うんです。神を讃える歌である讃美歌を、「選ばなかった過去たちへ」捧げるんですよね。めっちゃスタァライトじゃないですか?やばいでしょ。

ところで、形式的な点で言うと讃美歌にはリフレインがあります(Wikipedia参照)。今回の再生産総集編も全体を通してやはり「繰り返し」が軸になるんだと思いますが、その中でリフレインのある讃美歌(曲)を主題歌に起用するのはもはや必然的ですよね。やばいでしょ。

そして、今回の総集編においては大場ななの視点で物語が進むというのは明らかにされていることですが、この『再生讃美曲』もまた大場なな視点なのではないかと思っています。

フル尺がまだ聴けないので、今なにを語っても無駄なんだけど、この曲って、繰り返した時間の中での大場ななの気持ちを歌ってるんじゃないかって思っていて。それをみんなで歌い分けて、最終的にはそれをみんなで一緒に歌うことで、彼女(或いは彼女に共感できる人々)を救っていく歌なんじゃないかと思っているんですよ。

途中の愛城華恋(小山百代さん)が歌う「廻り廻る」から流れが変わるなと思っていて。天堂真矢(富田麻帆さん)が歌の中で踊り出すあたり(あ、転調するところのことです)からも変化はしていってるんですけど、それを経てからの「廻り廻る」以降はガラッと変わるように思います。その後に星見純那(佐藤日向さん)が言葉を繋げて、大場なな(小泉萌香さん)が引き継ぐっていう形だけでアニメ第9話を思い出しちゃってそれだけでテンション爆上げなんですが、歌詞を見てみると「ああ私たちは今何処へだって」「夢を宿し行ける」なんですよね。

夢宿してんじゃん大場なな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

未来に行けてんじゃん大場なな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

(大号泣)

 

失礼しました。

そこからはもう未来に目が向いてるんですよね、大場ななの目線がね。

そのあとまた合唱に戻ります。「ああ私たちは何者でもない」前後の歌詞は曲中に何度か繰り返されていますが、最初は大場ななとしての台詞だったり、各メンバーから大場ななに向けた台詞のような印象があるのだけど、最後は大場ななも含めた全員が一つになって「選ばなかった過去たちへ」向けて歌っている印象を受けています。何故眩しかったのか、何が眩しかったのか。時間を繰り返す中で8人となな自身が徐々に変化していったことによって、なながそれらをちゃんと見つめ、どんなカタチをしていたのかわかるようになったから、「だから眩しい」に続くんじゃないかと思っています。作中、「どうしてそんなに眩しいの」と華恋に問うたななが、「だから眩しい」と歌う。歌詞にあるこの流れは大場ななの視点から観た『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の物語そのものですよね……。やばいでしょ……。

きっと「選ばなかった過去たち」は、何度キリンに問われても、第99回聖翔祭までの時間を選び続け、その先に進むことを「選ばなかった」いくつものあの時(ななにとってのいくつもの「過去」)のことなんだろな。それを否定するのではなく、肯定していく。それがとても「スタァライトする」ことであると思うし、それがこの再生産総集編の主題歌で、ってそんなん、やばいでしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

再生産総集編、どんなアニメーションになるのか、楽しみです。