君の声だ

いやもうなんか好きになってよかったなって。

2021年8月8日 豊洲PITにて開催されたサンドリオンワンマンライブ「Spring☆ふぇすた2021~Happiness 4 you~」の話です。

最近の楽曲たちのこと、当然好きなんだけど、なんていうか、どこか寂しさみたいなのもあって。その寂しさが何かと言われたら、彼女たちの歌のように思えてなかったこと。なんてーの、ガワだけ褒められてる、みたいな、作った人がどうみたいな話をたくさん見かけて、それを否定するつもりはないんだけど、そんなん言ったら誰が歌ってもいいんじゃないのってさ、そういう評判を見るたびに思ってしまっていて。やっぱりわたしは彼女たちのことが好きなんだと思う、だから彼女たちについての言葉を見つけられないのが悔しかった。で、さらに悔しいのがそんな自分も、自身の中からその言葉を見つけられなかったことで。絶対に良い曲なのに、それを自分の言葉で表現できなくて、その曲の中の「サンドリオンだからこそ」の部分がどこにあるか、納得できるものを自分で見つけられなくて悔しかった。

だから、今回ライブで新曲を披露します(とは明言されてませんでしたが笑)というのが予想された時、彼女たちのパフォーマンスはどうなるんだろうと思っていて。それを観てわたしは何を思うんだろうって。

結果、最高でした。本当にありがとう、全部あなたたちだからこその歌でした。

上手いこと言葉が見つからないけど、なんだろうな、ステージの上で、観客に向かって歌って踊る姿が、それまで観た彼女たちと変わらなかったからかな。その姿が馴染んだ他の既存曲たちと変わらないものとして受け取れたんだと思う。し、お客さんもちゃんと5人を見た上で、曲を楽しんでたなと思って。それが今回すごいなあ、よかったなあと思ったところでした。たぶん、新曲たちってハードルが高い曲なんだと思うんですよ、音楽もダンスも詳しくないから知らんけどさ、でもそういうのをライブという場所で自分たちの歌として表現して披露できること、とってもとっても素晴らしいことだと思いました。

それから、さっきもちょっと言ってしまったけど、彼女たちの歌に限らず、このごろよく見られる作家さんの名前がめちゃくちゃ前に出る現象、それ自体は良いと思うのだけど、でも、なんていうかな……曲は平等でしょ、誰が作ったとしても、自分に刺さったらそれは宝物になるし、刺さらなかったらそれはそれでひとつの曲でしかないし。だからこそ、彼女たちが歌う以上は、彼女たちにしか歌えない歌であってほしくて。発表済みの新曲たちはもちろんとっても良かったけど、こう、なんていうか、広く知ってもらうための歌だったと思っていて。「いつかの誰か」に向けたもののように思っていて……いやそれは当然必要なものだし、前述した通り「目の前の君」に向けて歌ってくれてたのであれなんですけど、だからその、うまく言えないけどもっと、個人的には、今の彼女たちが歌う、どストレートな歌も欲しいと思っていたんですよね。そういう歌があって、やっとピースが揃うみたいな感覚になるんじゃないかって。だから、『君だけのオリオン』って、タイトルを聞いただけで倒れそうだったし、実際歌詞も見た上で聴いたその曲はまさに望んでいたそれで。どうしようもなく彼女たちの歌でもう、胸が苦しかったです。倒れなかった自分を褒めたい。

あれはもう誰も歌えないでしょ。替えが効かない歌でしょ。それが今回、とってもうれしかったことでした。

あともう一つだけ、『familiar base』が思わぬ泣きどころになって。単純に今1番好きな曲なわけなんですけど。今回のライブでも曲が始まって最初のうちはそういう「好きな曲が来た」という気持ちで聞いていたけど、2番のあたり、メンバーがステージをメインの方に移っていく流れだったので、わたしも目線をメインステージに移したら、スクリーンに映されてたのはMVで。「カメラの映像ちゃうんかい!」って驚いて、同時にものすごく感情が動いて、めちゃくちゃ泣いてしまいました。全然自分でもそれが訳が分からなくて「どうしよう」って思いながら泣いてたんですけど(笑)、でもたぶん、景色が綺麗だったからだろうな、と思います。

ちょうど目に入った時のMVの場面が、5人が肩を組んで歩くシーンで。あのシーン、特に好きなんですよね。5人がお互いに信頼しあってる感じがあって。そのMVの中の5人とおんなじように楽しそうに笑顔でいる5人が目の前にもいたのがもうたまらなかった。で、そのあと続くMVのシーンはファンのことを想ってくれているのが再び伝わってくるところなんですけど、まさに目の前のライブの空間ではそういうことを感じられたし、逆にファンも5人のことを想っているんだなというのが感じられて。そういう相思相愛の空間で、あの多幸感あふれる映像と、多幸感にあふれてる目の前の景色とが重なって、混ざり合って、とても綺麗だったんだと思います。

あの景色、5人含めて皆にとって大切なもので、たぶん、わたしにとっても、大切にしたい景色でした。

あれがきっと「Happiness」なんだろな。

 

そうだなあ。

今回、「楽しい」って気持ちだけで臨んでました。待ちに待ったものだったから、シンプルに彼女たちのライブに参加できることが嬉しいし、実際始まってからずっと楽しいし。だけど、後半になってこんな方向に心が動かされるとは思ってなくて。小山さんも急に真面目な顔で「心して聴いてください」って言うんだもの。そのあとアンコール明け一曲目は『Zodiac Sign』ですし。最後の最後はみんな大好き『タイムトラベル』で。

なんだよなんだよ〜!!それはズルでしょ!?

ズルいよ。

 

また彼女たちの声、聴きたいです。